
うつ病の家族への対応マニュアルとは?
「うつ病の家族への対応マニュアル」では、
うつの患者さんへの、簡単だけど効果のある対応の仕方をお伝えしています。
ざっと内容を紹介しましょう。
・勇気づけ
・座る位置
・傾聴の技法
・フィードバックの技法
・共感の技法
・リフレーミングの技法
・効果的な質問法
・沈黙への対応
・あなたの気持ちの伝え方
・アドバイスのやり方
・援助したいときの手の出し方
・やっちゃいけないこと
・通院の勧め方
・プラスからプラスの関わり
……などです。
なんだか、「技法」なんて、難しそうですね。
でも、具体例や、音声での会話例を交えて説明していますから、
案外簡単に使うことができますよ。
そして、いま紹介したのは、マニュアル全体の半分です。
この「マニュアル」には、もう一つ大きな柱があります。
それは、家族であるあなた自身が感じている
「否定的な感情」にどう対処するか、ということです。
患者さんの家族が感じる否定的な感情。
たとえば、
・いつ治るのか、本当に治るのかという焦り
・患者さんとの心の触れ合いが減ることによる寂しさ
・患者さんが自殺するのではないかという恐れ
・生活していけるんだろうかという経済的不安
・子どもに悪影響が出るのではという不安
・どう関わっても、よけいに患者さんを苦しめてしまう、とまどい
・自分は何の役にも立てないという罪責感
などなど……。
どうですか? あなたも感じていらっしゃいませんか?
こういう気持ちを抱いていると、だんだんと家族は焦ってきます。
そして、一刻も早く治って欲しいという気持ちが強まります。
その結果、無理に励ましたり、
何か「治るのに役立ちそうなこと」を勧めたりします。
でも、患者さんは、その励ましやアドバイスを受け入れるだけの
元気もありませんので、たいていよけいに症状が悪くなります。
そして、こういうことが繰り返されると、
今度はだんだんと腹が立ってくるようになります。
イライラしてきます。
なかなか治らない患者さんを責めたくなります。
イライラが高じると、実際に患者さんに怒りをぶつけてしまいます。
もちろん、そんなことをすれば、
患者さんはさらにさらに落ち込みます。
怒りをぶつけた家族は、今度は罪責感を感じます。
自分が情けなくなります。役立たずに思えます。
そして、何とか前回の失敗をカバーしようとして、
また焦って関わろうとします……。
悪循環ですね。
ですから、この「マニュアル」では、
患者さんの家族が抱えている不安を取り除くことも、
大きな柱のひとつにしています。
不安を取り除くための処方箋のひとつは、「正しい知識を持つ」ということです。
たとえば、
・家族が抱える不安とその影響
・神経の病気としてのうつ病
・心の疲労骨折としてのうつ病
・良い医師やカウンセラーの見分け方
・うつ病が回復していくプロセス
・どれくらいで回復するのか
・経済的な公的サポート
・子どもへの悪影響への対処法
・息抜き
・グループの力
・うつ病が患者さんと家族にくれる宝物
……などなど。
このマニュアルを実践なさると……
患者さんがあなたと話したあと、ホッとした表情を見せるようになります。
患者さんは、心の中にたまっている苦しい思いを吐き出したいと思っています。このマニュアルでは、それをうまく吸い出してさしあげる方法を学べます。
患者さんのことを、もっともっと大切に思えるようになり、患者さんとの絆が深まっていると感じられるようになります。
患者さんを大切にする方法を知って実践していくと、ますます大切に思えるようになるのです。それは、患者さんの表面(行動や態度)によって評価することをやめて、患者さんそのものが大切だということを学ぶことになるからです。
だんだんと患者さんのうつ病の症状が、軽くなっていきます。
症状の回復には、もちろん医師やカウンセラーの助けが必要ですが、家族であるあなただからこそできる助けがあります。それは「本当の自信」を与えることです。マニュアルではその方法を知っていただきますが、それを実践すれば、しないよりもはるかに回復の度合いが変わってきます。
患者さんの問題行動に上手に対応できるようになり、問題行動自体もだんだんと解消されていきます。
家族にとっては困るばかりの患者さんの問題行動ですが、患者さんにとっては「当然」の理由があります。このマニュアルによって、表面の言動ではなく、その理由に焦点を合わせられるようになるので、患者さんはあなたに分かってもらうために問題行動を使わなくても済むようになっていくのです。
あなたも、患者さんの状態がアップダウンしても、振り回されず、どーんと構えていられるようになります。
うつ病が回復していくプロセスを知ることができるので、長い目で患者さんの回復を見つめていけるようになります。ですから、短期的なアップダウンには振り回されません。
あなた自身が、今まで以上に余裕を持って患者さんと向き合えるようになります。
うつ病についての様々な知識や対応法を知っていれば、これまでのように、わけが分からず不安感に押しつぶされそうになることが少なくなり、結果として余裕を持って患者さんに対応できます。もちろん、それは患者さんにとっても安心です。
今まで、いくらアドバイスしても、ちゃんと聞いてもらえなかったとしても、患者さんがあなたの話を真剣に聞いてくれるようになります。
心の中につらい気持ちがあふれているときには、外から何かを教えようと思っても、受け入れる余裕がありません。しかし、このマニュアルの通りに話を聴くと、患者さんはつらい気持ちを吸い取られて、心に余裕が生まれ、その分だけあなたの話にも耳を傾けてくれるようになります。
「何とかなりそうだ」という希望を、あなたも患者さんも持つことができるようになります。
うつ病にどのように対応したらいいかということを知り、それを身につけることは、あなたに大きな自信を与えます。そのあなたの大丈夫感覚は、不安感でいっぱいの患者さんの支えになり、それが希望を生み出すのです。
患者さんとの仲が、病気になる前よりも親密になっていきます。
うつ病の患者さんは傷つきやすくなっていますから、人になかなか心を開かなくなるため、建前のコミュニケーションでは通用しません。それだけに、このマニュアルによって、親密で真実なコミュニケーションを実践していかれれば、かえって病気になる以前よりも、患者さんはあなたに対して心を開きます。
家族全体が、前よりも「ひとつ」になっていきます。
人を愛するとか、大切にするとかとは、具体的にどういう行動をすることかということを身につけられます。また、自分が「愛されている」と感じる行動を相手から引き出すやり方も学べます。ですから、お互いに愛し合い、大切にし合っているという感覚を味わえるようになります。
家庭が明るくなり、安らぎの場、エネルギーをもらえる場になっていきます。
あなた自身が人に安らぎやエネルギーを与える接し方を実践するため、家族は元気になります。と同時に、家族はあなたのやり方を見て学びますから、あなたに対しても安らぎやエネルギーを与えてくれるようになります。
患者さんもあなたも、前よりも自信がついて、物事に積極的に取り組めるようになります。
うつ病は、何かができるとか、何かを達成したとかいう条件付きの自信を粉砕します。しかし、このマニュアルによって、「今このままの私がすばらしい」という無条件の自信を、あなたも患者さんも身につけていただけるようになります。そして、「すばらしい自分は、すばらしいことができるはず」と思えるようになるのです。
患者さんもあなたも、コミュニケーションの取り方が上手になり、人間関係や仕事がうまく回っていくようになります。
このマニュアルで学んでいただくコミュニケーション技法のほとんどは、一般の人間関係でも使えるものです。患者さん以外の人に使っても、相手はあなたに心を開き、あなたを信頼してくれるようになるのです。


